【地域情報紙ぷれすしーど　2021年5月28日号掲載】

　「こないだ父に会ったときは、まだ元気で、自分のことは自分で普通にできていたのに…」。そう言って、施設探しの相談に来られる人は少なくありません。「親の介護は急に来る」といいますが、サインがまったくないとも言い切れないんですよ。

　一般的に、離れたご両親に会いに行くときは皆さん、「○日に帰る」と、前もって伝えると思いますが、ときにはそれをせず、こっそり会いに行ってみてください。もしかしたら、いつもはきれいに片付いている台所が散らかっていたりして、「あれ？」と感じることがあるかもしれません。

　老いの速度が速まり始めると、色々なことが億劫になってできなくなるものです。特に、ご年配の方は来客があれば張り切って準備して迎えてくれるものですから、どうしても普段の姿に気付きにくいんですよね。ですから、ほんの少しでもいいので、たまに会う「元気な親」は「普段の親」とは少し違うかもしれない、と意識して接してみてください。

　特に今は、コロナ禍で離れて暮らすご両親にしばらく会っていない人も多いですよね。もし突然訪ねてみて、雰囲気が違うなと感じたら、親子で終活の話をゆっくり進めていきましょう。