【地域情報紙ぷれすしーど　2024年8月9日号掲載】

　酷暑が連続する中、午前10時頃やお昼時、夕方でもまだ暑い17時頃にまれに犬の散歩をしている人を見かけます。数年前の切ない記憶が蘇ります。

　その日、道路脇に横たわる大型犬に近所の人たちが集まり、ペットボトルで水をかけていました。知的障がいのある男性が日中に犬の散歩をしていたら犬が倒れたそうです。私はすぐ車を停めて知人の獣医に電話で状況説明をして、大型犬と飼い主を獣医のもとへ運びました。処置を受けた後、少し元気になりましたが、結局、翌日、その子は亡くなってしまいました。内臓が固まりかけていて、搬送時はもう手遅れだったと後から聞きました。残酷な話ですが、歩きながら内臓がボイルされていたのです。どんな処置を施しても一度固まりかけた内臓は二度ともとには戻せません。

　今の時期は上からも下のアスファルトからも強烈に熱されます。例えば認知症の人でも、そうした状況での判断は難しいと思います。どうか皆さんも近所で見かけたら「危ないよ」と声をかけてあげてください。