【地域情報紙ぷれすしーど　2022年7月25日号掲載】

　先日、認知症の行方不明者が９年連続で最多を更新したという記事が目に止まりました。昨年の計１万７６３６人は、統計を取り始めた２０１２年の１・８倍だそうです。約７割はその日のうちに見つかっています。

　施設さがしをする中で、ご家族さんから「外出中に戻れなくなって行き倒れ、救急搬送されることが増えた」「何を思ったか大阪まで行ったようで、保護してくれた大阪の施設まで迎えに行った」など、行方不明の一歩手前でなんとか済んだエピソードが飛び出すことも珍しくありません。よくよく伺うと「やめたはずのタバコを買いに行ったけど、店まで辿り着けなかったみたい」「若い頃の思い出のほとんどが大阪にあったから」などと、その人なりに理由がありました。

　近年では本人が必ず持ち歩くものや靴にGPSを忍ばせることもできますが、地域の見守りネットワークとつながっておくのも安心です。心配になってきたら、福山市社会福祉協議会が事務局の「福山市認知症ひとり歩きＳＯＳネットワーク」に事前登録しておきましょう。