【地域情報紙ぷれすしーど　2021年12月17日号掲載】

　この一年、終活勉強会を毎月開いてきましたが、財産の多い少ないに関わらず、「誰に、どれだけ遺すかを伝える準備だけはしておかなくては」とお考えの方は少なくないですね。そこで、今年最後の勉強会は、再度、広島法務局福山支局の岡林課長にご登壇いただき、法務局に遺言書を預ける「自筆証書遺言書保管制度」をメインに、遺言書の保管について学ぶ場にしたいと思います。

　遺言の方式は、主に「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」の２つがあり、専門家が作成する「公正」は信頼性が高く、家庭裁判所の検認は不要です。一方の「自筆」は、自分で作れるので費用が掛からず、手軽で自由度が高いのが特徴ですが、自宅で保管されるケースが多いため、「必要なときに見つけてもらえない」「紛失してしまった」「誰かに内容を書き替えられた」…という問題が起こりうるわけです。

　こうした背景を受け、昨年始まったのが、「自筆証書遺言書保管制度」という新たな仕組み。費用は３千９００円で済み、「自筆」でも家庭裁判所の検認が不要になります。

　遺言書は遺された家族に自分の思い託す、最後のお手紙です。今のうちに学んでおきませんか。