【地域情報紙ぷれすしーど　2021年1月15日号掲載】

　今のご時世、急に数日間の入院が必要になる可能性は、年齢を問わず誰にでもあります。そんなときに思い出すのが、とある先輩記者の言葉。「島で一人暮らしをしているお袋が突然入院することになって、慌てて駆けつけたら、旅行カバンに入院道具一式が全て用意してあった。本当に感心したよ」。

　診察しやすいパジャマに下着、羽織りもの、タオル、洗面道具、筆記用具など、自分が入院時に必要と思うものは自分にしかわかりませんよね。特に女性は、あちこちの引き出しを開けて掻き集めてもらうことに抵抗がある人も少なくないのでは？ このお泊まり準備は、一人暮らしの人に限らず、「家のことを全て把握できているのは自分だけ」という自覚がある人におすすめです。目安として、１週間分を揃えておくとよさそうです。

　このエピソードは10年近く前の話。当時、私は日刊の地域情報紙の記者をしていました。「何が起こるかわからないから

自分で備えておく」という心構えの尊さが、終活のアドバイザーとなった今、心に深沁みています。