【地域情報紙ぷれすしーど　2022年1月21日号掲載】

　終活という言葉はメジャーになってきましたが、実際に取り組むかどうかは別の話。とくに「親にこそ進めてほしいのに、なかなか自分事として考えてくれなくて…」という声はよく耳にします。

　そんな方に私がお勧めするのが、ご両親用のエンディングノートを作るということです。相手が気乗りしないのなら、こちらで少しずつ項目を埋めていきましょう。話の流れでするりと聞けるときもあれば、終活にまったく関係ない話をしながら、ついでに聞くほうがいいときもあります。ご両親が話しやすい家族や（いれば）ケアマネさんなどに協力してもらうのもいいですね。

　終活と言えば、お墓や葬儀、相続といった大きなテーマに気をとられてしまいがちですが、エンディングノートを埋めていくと、かかりつけ医やお薬、保険、銀行など、介護の準備につながる情報も整理できます。

　「万が一」や「もしも」のときは、危篤のときばかりではありません。物忘れがだんだん増えてきたとき、転んでケガする頻度が高まったとき、そして、元気がなく無気力になってきたときも、同じなんです。元気なうちに少しずつ情報や思いを確認することは、親子の会話を増やすことにもつながるのでおすすめです。