【地域情報紙ぷれすしーど　2022年4月22日号掲載】

　「エンディングノートも遺言書も同じでしょ？」と思っていませんか？混乱しがちですが、この２つは別物になります。

　エンディングノートは、自分に万が一のことが起きたとき、思いを伝えられなくなった自分に代わって、大切なことを家族に伝えるためのものです。自分の老後のための情報整理や備忘録にもなりますが、本来の目的は家族や周りの人の負担を減らすこと。形式も自由です。ノート自体に法的効力はなく、いつでも誰でも内容が確認できます。

　一方の遺言書には法的効力があります。誰にどの程度の財産を残すか、あるいは誰に残したくないか。隠し子の認知もできます。これらを実現するための「遺言執行者」を指定することもできます。ただ、書き方や用紙サイズなどの形式が決まっていて、守られていないと無効になってしまうのです。それに、改ざんを疑われるため、遺言書は自分で書いたものであっても気軽に開けることはできません。

　相続人が財産を把握できていない、子ども同士の仲が悪い、相続人がいない、自宅以外に資産がない…などのケースは、ノートと合わせて遺言書も用意しておいたほうが安心です。