【地域情報紙ぷれすしーど　2021年9月10日号掲載】

　在宅介護の準備は、ご両親やパートナーが元気でいる頃から少しずつ始めることをおすすめします。準備と言っても、それは「話し合い」のことです。介護にまわせる資金や実際に必要な費用の確認はもちろん、どんな老後を送りたいと願っているのか、最期を迎えたときにはどう見送ってほしいのか、あらかじめ知っておくことが、のちにサポートするみなさんを助けることにもつながります。

　例えば、身体は元気でも、認知症などで脳が衰えてくると、元気な頃は几帳面だった人も性格が変わったようにルーズになったり、好きで続けていたことにも興味がなくなったりします。そうなってから希望を聞くと、「そっとしておいて」「一人がいい」など、そのときの感情しか言わなくなる場合が多いです。元気なうちに好きだったことや楽しんでいたことは、衰えた脳にプラスの刺激をもたらしやすいです。元気なうちに何気ない会話をして、ご本人が何を楽しんでいるか情報を集めておいてください。食べ物、音楽、テレビ番組…そんな小さなことでも大丈夫です。

　お友達やご家族と一緒に老人ホームの費用などを学ぶ出張勉強会の依頼も随時お受けしております。